【Trados Studio】既定フォントではなくメイリオを使う理由
Trados Studioをお使いの方は、フォント設定はどのようにしているでしょうか?
シーブレインでは、前までは各スタッフが自由にフォントを設定していたのですが、今では全員、Japanese(ターゲット言語)に対してはメイリオを使うようにしています。
これは、メイリオを使うことで、一部の記号をTMウィンドウでうまく可視化できるためです。
画像を使ってご説明します。
まず、Japaneseのフォントが既定の場合の例をご紹介します。TMウィンドウにあるセグメントをご確認ください。鍵括弧の中は改行に見えますね。
このセグメントを適用して訳文を生成しました。
改行に見えていた部分が半角スペースになっています。
鍵括弧の手前の記述でお気づきの方も多いとは思いますが、実はこの鍵括弧の中に入っているのは、ただのスペースではありません。U+2028のline separatorと呼ばれる記号で、言語や文字コードによっては改行コードとして使われます。Trados Studioを使っている場合、既定のフォント設定だと、セグメント内改行(俗に言う「Shift改行」)との見分けがつかなくなってしまっています。
ところがこの記号は、フォントをメイリオに設定していると次のように見えます。
改行の手前に「LSEP」という記号が表示されています。セグメント中で改行されてしまうことに変わりはありませんが、少なくとも、何か記号がいるな、ということは確認できるようになりました。
なぜメイリオだとこのように可視化できるのかはよくわかりません。ためしに、いくつかほかのフォントを設定してみましたが、メイリオでしか確認できませんでした。
このような記号は意図をもって設定されている場合もそうではない場合もあるため、残すかどうかの判断はケースバイケースになってきますが、まずその記号が使われていることを認識できているかどうかが重要になってくるのではないかと思います。
個人的にはTrados Studioの既定のフォントも嫌いではなかったので(「ゾ」の形がなんだかもぞもぞして好きでした)、少し寂しい気もします。