ExcelでTrados Studioのフィルタ機能を強化する
いよいよ春らしくなってきましたね。会社周辺では桜の絶景ポイントが多数あるようなので楽しみです。何しろ、隣の桜木町駅は読んで名のごとく桜の木の町です。
さて、Studio2014ではフィルタ機能が強化されたものの、それでもまだかゆいところには手が届かないことがあります。そんなときは、Excelの手を借りましょう。
以下の様な翻訳ファイルがあったとします。
ここで、Studio標準のフィルタで、「原文にLが含まれるセグメント」をフィルタすると、こうなります。
Studioのフィルタでは、これくらいなら難なくこなせますが、例えば「原文にLが含まれるけど、訳文にはドジョウを含まないセグメント」をフィルタすることはできません。そこで、Excelの力を借りるのです。
まず、Studioの内容をExcelに貼り付けます。
フィルタをクリアして、原文の最初の「Loach」を選択した状態でCtrl + Shift + End を押すと、原文すべてが選択されます。
この状態でコピーして、Excelに貼り付けます。すると、原文がExcelにペーストされるはずです。
同様に、訳文もCtrl + Shift + Endで選択してExcelにペーストします。
Excelでは、左右に原文と訳文が並ぶようにペーストしましょう。
また、ExcelにStudioの内容を貼り付けるもう一つの方法として、StudioでCtrl + Pを押してブラウザに表示される内容をExcelへコピペする方法もあります。この方法では、今回のように翻訳対象が単語ではなくて文章である場合、いくつかの文章がまとまってしまい、セグメントごとにうまくセルが分かれませんので、フィルタの精度が若干落ちるかもしれません。
さて、ここからはExcelでの作業に移ります。
1行目には適当に文字を入れて(今回は英語と日本語にしました)、[データ]からフィルターを選択します。
今回の目的は、「原文にLが含まれるけど、訳文にはドジョウを含まないセグメント」をフィルタすることです。
まず、原文にLが含まれるセグメントをフィルタしましょう。テキストフィルタから[指定の値を含む]を選択して、Lと入力します。
これで、原文にLが含まれるセグメントのみがフィルタされました。
次は、「訳文にはドジョウを含まないセグメント」をフィルタしましょう。テキストフィルタから、[指定の値を含まない]を選択して、ドジョウと入力します。
これで、「原文にLが含まれるけど、訳文にはドジョウを含まないセグメント」をフィルタできました。今回は簡単な例でご紹介しましたが、Excelの関数などを組み合わせると更に高度なフィルタも実行できるかと思います。ぜひご活用ください。