製品のトクチョウと、逃げた犯人のトクチョウ(特長と特徴)

製品のトクチョウと、逃げた犯人のトクチョウ(特長と特徴)

先日ラジオを聴いていたら、こんなくだりがありました。

『・・・ファミリーコンピュータがですね、あ、ファミリーコンピュータって分かりますか。64 とかじゃなくて、もっと前の。「スーパー」がついていない「ファミリーコンピュータ」というのがあったんです。それで、・・・』

そうか、ファミリーコンピュータは説明しないと分からない(そしておそらく説明してもたいして伝わらない)んだ、と感慨深かったfukazawaです。

きちんと伝わらないと困る、ということで漢字のお話です。

「この製品のトクチョウは以下のとおりです。」

入力して変換してみてください。特長と特徴のどちらがでてきましたか?

①この製品の特長は以下のとおりです。
②この製品の特徴は以下のとおりです。

これはどちらかが合っていてどちらが間違い、ではありません。どちらもおかしくないのですが、意味が異なるので文脈にあったほうを選択しないといけません。

【特長】他よりも特にすぐれている点。特別の長所。
【特徴】他と比べて特に目立つ点。きわだったしるし。
                                              (『大辞泉 第二版』小学館より)

セールスポイントやメリットなど、良いことを伝えるときは「特長」。良いこと、良くないこと、どちらともつかないことが入っている場合は「特徴」が適しています。なので、「逃げた犯人のトクチョウ」には「特徴」を選ばないといけません。この場合「特長」は使えません。

「特徴」は、他と区別するために目印となるような点をいうが、「特色」は、他よりもすぐれている点をいうことが多い。
                                                        (『使い方の分かる類語例解辞典』小学館より)

似た言葉に「特色」もありますが、IT翻訳で自社の製品について述べている場合、「特長」を使うことが多いです。1 つ目の例のように両方を使える場合でも、より適切な漢字を選べる翻訳者になりたいですね。


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