ジュニパーは何に入っていて、ジュニパーには何が入っているか
Monocleの配信している動画で、ジンの distillery について紹介しているものを観ました。
distillery は日本語では何というんでしょう、蒸留所でいいんでしょうか。ビンに詰めて販売するところまでやっているようなので、なんか違うような気がするな、と思いました。
ジンについては、なんかカクテルによく入ってるやつ、という程度の知識しかありませんでした。すると、動画の中で、ジュニパーという言葉が何回か出てきたので、うーん、聞いたことあるけど、アレじゃないよなー、と思ってからが長かった......というのが今日の話題です。
私の聞いたことがあるジュニパーは、IT業界の方にはお馴染みの、ジュニパーネットワークスさんのジュニパーです。しかしこのジュニパーが何なのかは、この時点ではさっぱりでした。
どうやらジンにジュニパーを入れているようなので、たしかこんなつづりだったぞ、と juniper の意味を調べてみると、杜松と書いてネズと読むということがわかりました。ネズとはいったい......と思って調べると、ヒノキ科の植物で、やはり実をとってジンに使うようです。
植物の名前をとって会社名に使うのはおかしな話ではないので、この juniper のことで間違いなさそうです。ここまできたら由来も調べようと思って、検索をすると、案外厄介なことになりました。
まずは深く考えずに juniper networks に name をくっつけて検索してみると、ジュニパーネットワークスを紹介する記事のほかに......ジュニパーネットワークスが誰かを何かの役職に任命した(name した)という記事が出てきて、由来がなかなか見つかりません。
How did Juniper Networks get its name?
という、まさにコレ、という質問があったものの、無回答です。
由来を示す origin を足すと、origin が含まれないページばかりがヒットするので、ダメだこりゃ、と思って、試しに networks を引いてみると、Juniper は女の子の名前として近年そこそこ人気があるそうで、人名の話ばかり出てきました。
人じゃなくて木の方で、とわらにもすがる思いで tree を足して、juniper networks name tree という、もはや何を検索したいのか意図が見えないクエリにすると、今度は Spanning Tree Protocol 関連の記事が山ほどヒットして、心が折れそうになりました。
しかしその中に、よく見ると答えが含まれていました。わらにすがったおかげで needle in the haystack にたどりつけたようです。
The story of Juniper, Sycamore and other network companies that are as lovely as trees
ネットワーク関連企業には、木から名前をとったものがいくつもあるようだが......という、ちょっとした息抜きのような記事です。この中で、ジュニパーネットワークスの社名の由来について、しっかり説明されていました。
なぜ Juniper になったかというと、つづりの中に ip が入っているからだそうです。とにかく IP が入っている名前にしたい、というのが第一の条件で、ツリー構造はコンピュータ関連でよく出てくるので素性もいい、ということで候補になっていたそうです。
いくつか候補があった中から、創業者の Pradeep Sindhu さんのお子さんに意見を聞いたところ、他の候補であった IPCom や IPSwitch よりも Juniper がいいという答えだったそうで、それで Juniper Networks になったそうです。しかし、こういった、とって付けたように子どもが出てくるエピソードを純粋に信じ切れないのは私だけでしょうか。
というわけで、ジュニパーはジンに入っていて、juniper には ip が入っている、という、人生において非常に大切なことを学ぶために、かなりの時間を費しました。