PC がない時代の「検索」という言葉
やっと、気候が春らしくなってきました。そろそろ花見の季節で、社内でも企画されているようです。
春は花粉なので嫌いですが夏は大好きなのでワクワクしております。
さて、いまや「検索」という言葉は非常によく使われると思います。
「わからないことがあったらとりあえず検索してね」
「これ、データベースから検索しておいて」
「色んな通販サイトで検索したけど全部売り切れだった」
「図書館の端末で検索したけど欲しい本は貸出中だった」
などなど...
いまや、検索という言葉は、テキストボックスに文字を入力して [検索] ボタンをポチっとすることを指すことがほとんどだと思います。
そこで、PCがない時代は検索という言葉はどのように使われていたのでしょうか。
まず、辞書で検索を引いてみることにします。
広辞苑 第四版 (1991年)
調べ探すこと。 「索引で語を検索する」
大辞林 第三版 (2006年)
書物・カードなどから,必要な事柄を探し出すこと。 「索引があるので検索するのに便利だ」
上記の用例は、アナログな「検索」を指しているように思えます。
さらに、こんなサービスを見つけました。
これは、青空文庫全体から、特定のワードが使われている部分を検索できるものです。
青空文庫は、死後50年が経ち著作権の切れた作品を無料で読めるサービスですので、青空文庫に貯蔵されている作品は、必然的に50年以上前のものになります。ですので、「この言葉は昔はどのように使われていたのだろう」というときには最適なサービスではないでしょうか。
ここで、「検索」を [検索] してみましょう。
白い花の傍へ行っては検索表と照し合せて見る。
梶井基次郎「路上」
索引が与えられていて、検索することが出来るようになっている。
戸坂潤「読書法」
三年になると、本科生は書庫の中に入って書物を検索することができたが1番目の「検索表」とは、植物の特徴を照らしあわせて種類がわかるようになっている表のことで、今でも使われているようです。
西田幾多郎「明治二十四、五年頃の東京文科大学選科」
その他の「検索」は、書物などを検索することを指しているようです。
「検索」する、という本来の意味自体は変わっていないようですが、いままで書物で"検索"していたことも、インターネットですぐに"検索"できるようになりました。
PCおよびインターネットの普及に伴い、"Search" に「検索」という言葉が当てられたことによって、使われる頻度はかなり高くなった言葉なのではないかと思いました。