前置詞?のbecause

前置詞?のbecause

12月12日は木村伊兵衛と小津安二郎の誕生日だそうで、映像的にはなかなかめでたい日のようです。木村伊兵衛写真賞(木村伊兵衛賞と呼ばれることが多いです)という大変有名な賞があって、それで木村伊兵衛の名前を知る人が多いのではないかと思いますが、映画の賞で人名がついているものはあまり聞いたことがないような......と調べてみたところ、やはり珍しいようです。大勢で作るからでしょうか。

最近、ときどき話題になっているようですが、becauseを前置詞のように使う人がいるそうです。

Putting Root Beer in a square cup makes it regular beer because math. I knew this stuff would come in handy one day.

https://twitter.com/homeless_duck/statuses/400469302660186113


上の例では、becauseの直後にmathという名詞がくっついています。構造上は前置詞のように見えますが、しかし前置詞というのは名詞や動詞とは違ってそう簡単に作り出されるものではない、ということで、because noun (because + 名詞) という呼び方をされることもあるようです。

becauseに名詞をつなげようと思ったら、because ofとするように、みなさんどこかで習ったと思いますが、ネイティブの目にもその点は気になるようです。

ではどう違うのかというと、"The talks failed because of politics"が「政治のせいで会談は不調に終わった」であるのに対して、"The talks failed because politics"は「政治のせいで会談は不調に終わった。政治が絡むとよくあることだけど」というような感じになるようです。(https://news.ycombinator.com/item?id=6765099)

つまり、becauseのあとの名詞(句)から、状況を推察して皮肉めいた面白いところを相手が見出してくれるに違いないという期待に基づく、英語らしからぬハイコンテキストな表現である、ということのようです。言葉の乱れといってしまえばそれまでのようで、一時的な流行に終わるか、それとも長く使われることになるか、まだはっきりしないようですが、カタコトで話しているようにも見えるので、定着してくれると英語で話すときに都合がいいような気がしないでもありません。

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