ラッダイト予報

ラッダイト予報

今朝、靴を履いてドアに手をかけたところで、花粉症の薬を飲んでいないことに気付いたのですが、いつもやめ時がわからない薬なので、いい機会かと思ってそのまま出てきました。いまのところ平気なので、そろそろ外に出られる季節になったようです。

mouseという単語が1970年代以降やけによく使われるようになった理由はみなさんよくご存知かと思いますが、と書こうかと思ったのですが、若い人にはわかりづらいかもしれませんので普通に説明しますと、コンピュータ用のポインティングデバイスとして、掌に収まるサイズでケーブルが伸びているものを、ネズミに似ていたことからマウスと呼ぶようになったため、mouseという単語がよく使われるようになりました。最近のマウスはねずみ色でもないし尻尾も生えていませんし、そもそもマウスなしでもなんとかなるようになりつつありますね。

IT技術の影響で、以前とは異なる意味でよく使われるようになった言葉といえば、mouseとwebが代表的な例としてあげられると思いますが、以前と同じような意味で、しかし久しぶりによく使われるようになった言葉もあるようです。

世界史の授業などでご存知ではないかと思いますが、19世紀初頭に、ラッダイト運動と呼ばれる機械破壊運動が盛り上がりを見せました。
そして、それから150年ほどたった1970年代以降、ludditeという単語がまたよく使われるようになっています。

以前と少し異なるのは、物理的な破壊を伴わないという点で、ディスプレイを叩いたりキーボードを叩いたりする必要はありません。
最近のludditeは、テクノロジーを嫌うことや、テクノロジーに対して消極的な態度をとる、というような、だいぶ穏便な意味合いでも使われているようです。ラッダイトも丸くなりました。

ところで、Google Ngram Viewerを見ていて気付いたのですが、1840年以降、1860年を除いて、おおよそ20年周期でludditeの使用頻度が高くなる傾向があるようです。というわけで、あと5年ほどで、機械を引っ叩いてやりたくなるようなことが起きるでしょう、と不吉な予報をして終わります。

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