ttx ファイルのタグエラー その 2
試験的ではありますが、Trados Studio 2011 をようやく使い始めました。まだまだメインは ttx ファイルです。
PPT の ttx ファイルを開くとタグが沢山入っていて、翻訳がやりにくい...、なんてことがあります。とりあえず日本語訳を入力してから、必要なタグのみを該当箇所にコピーしたり、内部タグの「bold」のように、日本語の仕様では付ける必要のないタグを外したり、翻訳者によって作業の進め方は異なるのではないでしょうか。
タグを移動したり、仕様に合わせて訳文から削除したりすることに問題はありませんが、タグの意味を理解せずに移動してしまったり、挿入する場所を間違えたりすると、場合によっては重大な問題になります。原文通りにタグで挟むことが基本です。
下の画像は、PPT の翻訳サンプルでノート部分にあたります。ここにはタグの入力ミスがあり、訳文生成して日本語の PPT に変換すると、「DDD」で始まる日本語が削除されてしまいます。
このエラーの原因は、原文で「DDD The quick ...」テキストの前に付いている
「<cf lang="en-US" font = ....」タグを、訳文ではテキストの後ろに移動してしまったことにあります。このタグはテキストの開始を意味する大事なタグで、このタグを付けることによって、この行にテキストがあるということを認識しています。そのため、挿入先を間違えるとテキストが存在しないということになります。
また、タグを訳文の前に移動した場合、「<cf lang="en-US" font = ....」タグのすぐ後ろに終了タグ「</cf>」を入れてしまうと、終了という認識になり、同じようにテキストを認識しないことになります。
このようにタグを付けた場合、原文に付いているタグは訳文にも全部付いていて、開始タグと終了タグの組み合わせにも問題がないので、タグの検証時や訳文生成時にエラーが発生しません。そのため、日本語 PPT を生成したあと、文章中の途中の何行かが削除されていることに全く気付かずに完了してしまうことも考えられ、とても厄介なミスです。
ただ単純にタグを置いていくのではなく、どんな意味を持っているタグなのか、なぜ移動したり削除したりしても問題ないか、タグに対する理解力や注意力も翻訳の作業では必要です。
このサンプルの場合、テキストがあることを認識させるために、
「<cf lang="en-US" font = ....」と「</cf>」タグで訳文を挟む必要があります。これでテキストは認識され、問題なく表示されます。