「翻訳業務」について

「翻訳業務」について

今回の私のコラムでは、「翻訳業務」についてご紹介したいと思います。

■ 翻訳の種類
翻訳は、大きく実務翻訳、出版翻訳、映像翻訳の 3 つに分類されます。
  • 実務翻訳: ビジネス、機械、通信・ネットワーク、コンピュータ、特許、法律、金融、医薬、化学などの翻訳です。その中でも機械やコンピュータ関連の翻訳は、技術翻訳 (IT 翻訳) と呼ばれます。
  • 出版翻訳: 海外の出版物の翻訳です。フィクション、ノンフィクション、児童文芸などのジャンルに分かれています。
  • 映像翻訳: 映画、ビデオ、DVD、テレビ番組などの映像メディアの翻訳です。
上記すべてに対応している翻訳会社もありますが、分野に特化した翻訳会社が多いです。シーブレインは、実務翻訳(特に IT 翻訳) を得意としています。

■ 翻訳業務の職種
大きく分けて次の職種があります。職種を兼務していることもあります。
  • プロジェクトマネージャ/コーディネータ
  • 翻訳者
  • レビューア
  • DTP オペレータ
  • エンジニア
それぞれの職種について、ご紹介します。

プロジェクトマネージャ/コーディネータ
翻訳プロジェクトの管理全般を行います。クライアント対応、見積、翻訳者/レビューア/DTP 作業者/その他作業者の調整、スケジュール管理、品質管理、請求処理、コスト管理など作業は多岐にわたります。翻訳だけでなく、DTP 作業、印刷製本、ファイル形式の変換、Web コンテンツの作成、音声の差し込み、ツールの選定など翻訳に付随するさまざまな作業にも携わります。人との調整が多いため、ビジネスセンスおよびコミュニケーション能力が求められることはもちろん、問題発生時の対処能力、冷静な判断力が必要です。

翻訳者
翻訳を行います。フリーランサーの場合は、翻訳会社の仕事を請け負い翻訳を行います。多くの翻訳会社は仕事を発注する前に試験を行い、一定の基準に達した翻訳者に仕事を依頼するのが一般的です。会社内で作業をする場合は、レビューアを兼務することが良くあります。英語力はもちろんのこと、適切な日本語に翻訳できる日本語文章力が必要です。また、翻訳する分野の知識、リサーチ力、丁寧さ、作業スピードが要求されます。技術翻訳の場合は、ドキュメントやリソースファイルの記述方法や形式に関する技術的な知識も必要です(HTML などのマークアップランゲージや、リソースファイルの記述パターンなど)。

レビューア
翻訳された内容が適切かどうかを確認します。翻訳者とほぼ同様の日本語能力、翻訳分野の知識、リサーチ力、丁寧さ、作業スピードを要求されます。

DTP オペレータ
文書のデザイン、レイアウト、印刷などを行います。シーブレインでは、InDesign、Illustrater、FrameMaker、PowerPoint、Word、Excelなど一般的に使用されるアプリケーションで作成されたドキュメントを扱っています。このほかに、音声処理、Web 画面の生成なども行うことがあります。アプリケーションに関する知識やオペレーションスキルを備え、丁寧かつスピーディーに仕事を行う能力が要求されます。

エンジニア
QAテストの計画・管理・実行、UI のチェック、翻訳に関わる作業を効率化するためのツールの作成、環境構築のサポート、TM の管理、翻訳ファイルの前準備作業など、エンジニアリング作業全般を担当します。IT 知識全般、ローカリゼーションに関する技術的な知識、英語力が必要です。

このような作業者がプロジェクトごとにチームを作り、翻訳プロジェクトを遂行します。


翻訳の仕事は実力社会です。自分の能力で評価されたい人にはとてもやりがいを感じられる仕事です。専門知識が必要ですし、ことばも日々変わっていきますので、新しいことを学んだり、知識を深める努力を続けることが苦痛でなく、喜びにつながる人には向いている仕事です。

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