ローカリゼーション プロジェクトで使う Redmine

ローカリゼーション プロジェクトで使う Redmine

・ローカリゼーションのプロジェクトの特徴
ローカリゼーションでは、分厚いソフトウェア マニュアルを翻訳することがあります。たとえば日米で同時リリースする場合、短期間で大量の翻訳をします。こういったケースでは何人もの翻訳者が参加するプロジェクトが立ち上がるため、プロジェクト マネージャはうまく管理をしなければなりません。
翻訳作業だけで済むのならそれほど厄介ではありませんが、ローカリゼーションではほかに、翻訳チェックや DTP といった工程が入ることがあります。どのファイルがどの状態で、誰が何の作業をしているのか、規模が大きくなればなるほど、またプロジェクトの数が増えれば増えるほど、管理は難しくなります。


・Redmine とは
プロジェクト管理に適したツールはいくつもありますが、ここではシーブレインでも利用している「Redmine」というオープンソースの Web アプリケーションを紹介します。
(公式サイトは http://www.redmine.org/、日本語による情報サイトは http://redmine.jp/。デモも使用可能)

Redmine の特長の一部として、以下の点が挙げられます。
・複数のプロジェクトをサポート
・ロールに基づく柔軟なアクセス制御
・柔軟なチケット追跡システム
・ガント チャートとカレンダー
・ニュース、文書、ファイルを管理
・フィードやメールによる通知
・プロジェクトごとの Wiki、掲示板
・作業時間を記録
・チケットやプロジェクトなどにカスタム フィールドを追加可能
・多言語に対応

Redmine はもともとソフトウェア開発プロジェクトでの使用が想定されています。
たとえば、開発中にバグが見つかったとします。バグは修正しなければならないため、プロジェクト マネージャはそのタスクを「チケット」に起こし、担当者を割り当てて、Redmine に登録します。担当者はチケットでタスクの内容や締め切りを確認し、タスクが完了したらチケットを閉じます。プロジェクトマネージャは、そのタスクのステータスを確認できます。
(1)プロジェクトが存在し、(2)その中にタスクとワークフローがあり、(3)タスクの担当者やステータスを管理する仕組みが必要であるなら、ソフトウェア開発以外でも利用できます。ローカリゼーションの翻訳プロジェクトでもこのようなプロセスを踏むため、Redmine を使用すると効果的に管理ができます。

※ 画面例: 各ユーザーの「マイページ」。担当のチケットが表示されている



・翻訳プロジェクトのワークフロー
ローカリゼーションの典型的な翻訳プロジェクトは、次のようなフローで進められます。
1. ファイルを準備する
2. 翻訳する
3. 翻訳チェックする
4. DTP をする
5. クライアントへ納品する

準備や納品はプロジェクト マネージャ、翻訳は翻訳者、翻訳チェックはレビュー担当者、DTP は DTP オペレータがそれぞれ担当します。また各タスクには、作業中や作業完了といったステータスが存在します。このワークフローは Redmine で管理できます。

上記のワークフローは典型的な流れですが、それ以外のワークフローも考えられます。たとえば手順 4 の DTP が不要な場合、翻訳チェック後すぐにクライアントに納品されます。Redmine では、ワークフローは 1 種類だけではなく、何種類も想定できます。


==2016年9月1日追記:最近の活用法についての記事を公開しました==

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