Virtualize という言葉は10年前には辞書に載っていなかった

Virtualize という言葉は10年前には辞書に載っていなかった

教えてgooを眺めていたら、こんな質問を見つけました。

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2452878.html

AをBとして仮想化する

専門的な文章ですが、タイトルのような文を英訳する場合、英語ではどのような表現をするのでしょうか?

virtualize A as B

としたいのですが、virtualize なんていう動詞は無いですよね(英辞郎、リーダズ英和、Oxford には無かった)

この質問によると、virtualizeという言葉は2006年の時点では辞書に載っていなかったようです。

その後、さまざまな仮想化技術が発展していくと同時に広がって、やがて認知されていくようになった言葉なのでしょう。

さて、そもそもvirtualという言葉を辞書で引くとどうでしょうか。weblioでは

(表面または名目上はそうでないが)事実上の、実質上の、実際(上)の、虚像の

とあります。うーん、仮想という言葉は見当たりませんね。

逆に、仮想という言葉を国語辞典で引くとどうでしょうか。

[名](スル)実際にはない事物を、仮にあるものとして考えてみること。仮に想定すること。

Virtual という言葉の説明とは少し異なりますが、本質は同じことを言っているようにも思えます。

最近では、Virtual Reality という言葉が流行っていますね。こちらは「仮想現実」と訳されています。「仮想世界」などは、SF小説などでは古くから使われてきた用語です。

Virtual Realityは、センサーやモニタが搭載された器具を頭に装着して、ゲームなどの世界があたかもそこにあるかのように感じられることを指しますが、「(表面または名目上はそうでないが)事実上の現実」と言っても差し支えないし、「実際にはない事物を、仮にあるものとして考えてみること」そのものだと思います。

MVNO: Mobile Virtual Network Operator (仮想移動体通信事業者)など、IT業界ではVirtualを仮想と訳すのは当たり前のことになっています。

仮想とvirtualという訳語の対は、絶妙なバランスのもとに成り立っているのではないでしょうか。

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