翻訳の品質が向上するかもしれない冴えない方法
一度翻訳したものを自分でチェックするときに、翻訳したときとは見た目が変わるようにするといい、とよくいわれます。印刷したり、違うソフトウェアに貼り付けたりすることで、翻訳したときには気が付かなかったミスに気が付くかもしれない、ということだそうで、たしかに、やってみるとそういうことがあります。
もっとも、そもそもはじめから間違えずに済めばそれに越したことはありませんので、今日はそのために役立つかもしれないテクニックを1つご紹介します。しかし、実践する人はあまり多くないだろうと思います。
私がおすすめするのは、エディタなり翻訳支援ツールなりのフォントの表示サイズを大きくすることです。大きな字で見ていると、単語をまるごと見間違うことが少なくなる......ような気がします。
翻訳のチェックをしていると、単語の見間違いが見つかることがあります。名詞や動詞を見間違えると、文章が明らかにおかしくなることが多い一方で、形容詞や副詞の場合はそうでもないようで、先頭の一文字だけ合っているアレと見間違えたのだろうな、というような間違いをよく見かけます。翻訳した当人は当然気が付いていないわけで、自分も同じようなことをしているかもしれません。
この問題の厄介なところは、はじめからもっともらしい訳文になっているため、モノリンガルチェックを繰り返しても間違いをなかなか発見できないところです。
なぜ見間違えるのかと考えてみると、そもそもよく見えていないのではないかという可能性に当然思い当たるので、そういったことがないように、同僚によく驚かれるくらいフォントを大きくして作業しています。この方がいい......と思います......たぶん、とアピールしているものの、同じようにする人はこれまで1人も見つかっていません。
新年度を迎えて気分を変えたい方、翻訳の品質をわずかでも向上させたいという方は、フォントを大きく表示してみてはいかがでしょうか。