木を見て森も見る

木を見て森も見る

雪が降ってきました。今日は積もるという予報ですが、横浜ではまだそんな気配はありません。

みなさんはTradosなどの翻訳支援ツールを使用していますか?
原文と訳文がが1対1に並んでいるので、訳抜けの心配も少なく便利ですよね。

少し話が変わりますが、仕事でレビューしているときに、不自然な日本語の表現にちょくちょく遭遇します。
たとえば、create design を「設計を作成する」、major disaster を「主要な災害」と訳されていたりします。
それぞれ、「設計する」「大規模な災害」などと訳したほうがよいところだったのですが、英語に引きずられすぎでは?と思う訳になっていました。

翻訳のスキルの問題かと思っていたのですが、どうも原因はそれだけではなく、翻訳支援ツールにあるのではないかと最近考えています。
とても便利なツールですが、その反面、1文ずつ訳していくので視野が狭くなってしまい、「木を見て森を見ず」の状態に陥りやすいのではないでしょうか。
翻訳している文章全体で伝えたいことは何か、文の流れが自然か、などを考えにくくなっているのかもしれません。
機械翻訳のようにならないように、「森も見る」姿勢が大切だと考えます。

ユーザーが読みやすい自然な訳文に仕上げるために、ドキュメント全体をざっと読んでから翻訳を始めたり、翻訳後に訳文を生成してから読み直す、というひと手間をかけてみることをお勧めします。
翻訳単価のアップにもつながるかもしれません。

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