ブログのネタとしてのas a service
Software as a serviceやPlatform as a serviceなど、ナントカas a serviceという言い方が流行っています。X as a serviceと一まとめにしたいところですが、違う意味になってしまうので、ナントカを使ってなんとかしました。
これらは、サービスとしてのナントカと訳されることが多い、というか、そのようにしか訳されないと思いますが、このように訳すことにはやや問題があるような気がしつつも、しかしその問題を解決するのは大変に難しいことであって、それゆえにこのような訳が定着したとも考えられます。
XはよろしくないのでAを使うとして、A as a serviceを、サービスとしてのAと訳すと、まず語順がひっくり返るという問題があります。これはなぜかというと、英語は後置修飾が使えるが、日本語では基本的に使えないためです。使えない、と断言してしまっていいのかよくわからないので、基本的に、とつけましたが、少なくとも英語と同じように簡単には使えません。使えないんだからしょうがないといってしまえばそれまでですが、特に文書の見出しの部分では、原文の先頭にある単語をなるべく訳文の先頭にも持ってきたいという意識が働きます。一つの用語とはいっても単語が4つ以上になりますので、A as a serviceが見出しの先頭にいると困ってしまうのですが、「Aがサービスである場合」などとするのも変な感じがするので、この問題はどうしようもない気がします。
もう一つの問題は、「としての」という日本語の意味がややわかりにくいのではないかというものです。国語辞典で「として」を調べると、資格や立場を示す、と書かれているものが多いのではないでしょうか。これだとピンとこないと思いますが、たとえば新明解国語辞典には、資格と立場とは別の項で、性質を持つ、という意味が挙げられています。この「性質を持つ」という説明は、A as a serviceのasの意味にうまく対応していると思います。というわけで、「として」と書いてしまうと、立場の意味に認識される可能性があって、やや伝わりにくいのではないかな、と思います。
ではどうすればいいかと考えてみると、前置詞としてのasはbeingに近い意味で使われるという説明がされることがあって、同じように、英和辞典で前置詞のasの例文を見てみると、「の」という訳をあてていることがあります。というわけで、A as a serviceは「サービスのA」とすればわかりやすく......なりません。「の」を連発する訳文はよろしくないとよく言われるように、「の」と書いてしまうと、解釈を読者に委ねる部分が増えてしまって不親切です。では、beingと性質をよりはっきりと表すために、「サービスであるA」とすればどうでしょうか。意味はしっくりきそうな気はしますが、しかし今度は、as a serviceを訳したものだということが一見してわからないという問題があります。
文の翻訳であれば原文が透けて見える必要はありませんが、似たような形のものがいくつもあるとわかっている新しい用語となると話は別で、ああ、アレを日本語にしたのか、とすぐわかるようにしておくことにも意義があります。日本語で「として」と書いてあれば、英語はasだろうと察しがつきます。
というわけで、サービスとしてのナントカという訳し方は、初めは嫌なヤツだと思ったが、だんだん悪くないヤツだという気がしてきたという話でした。このあともう一波乱あって、最終的には丸く収まると思います。
これらは、サービスとしてのナントカと訳されることが多い、というか、そのようにしか訳されないと思いますが、このように訳すことにはやや問題があるような気がしつつも、しかしその問題を解決するのは大変に難しいことであって、それゆえにこのような訳が定着したとも考えられます。
XはよろしくないのでAを使うとして、A as a serviceを、サービスとしてのAと訳すと、まず語順がひっくり返るという問題があります。これはなぜかというと、英語は後置修飾が使えるが、日本語では基本的に使えないためです。使えない、と断言してしまっていいのかよくわからないので、基本的に、とつけましたが、少なくとも英語と同じように簡単には使えません。使えないんだからしょうがないといってしまえばそれまでですが、特に文書の見出しの部分では、原文の先頭にある単語をなるべく訳文の先頭にも持ってきたいという意識が働きます。一つの用語とはいっても単語が4つ以上になりますので、A as a serviceが見出しの先頭にいると困ってしまうのですが、「Aがサービスである場合」などとするのも変な感じがするので、この問題はどうしようもない気がします。
もう一つの問題は、「としての」という日本語の意味がややわかりにくいのではないかというものです。国語辞典で「として」を調べると、資格や立場を示す、と書かれているものが多いのではないでしょうか。これだとピンとこないと思いますが、たとえば新明解国語辞典には、資格と立場とは別の項で、性質を持つ、という意味が挙げられています。この「性質を持つ」という説明は、A as a serviceのasの意味にうまく対応していると思います。というわけで、「として」と書いてしまうと、立場の意味に認識される可能性があって、やや伝わりにくいのではないかな、と思います。
ではどうすればいいかと考えてみると、前置詞としてのasはbeingに近い意味で使われるという説明がされることがあって、同じように、英和辞典で前置詞のasの例文を見てみると、「の」という訳をあてていることがあります。というわけで、A as a serviceは「サービスのA」とすればわかりやすく......なりません。「の」を連発する訳文はよろしくないとよく言われるように、「の」と書いてしまうと、解釈を読者に委ねる部分が増えてしまって不親切です。では、beingと性質をよりはっきりと表すために、「サービスであるA」とすればどうでしょうか。意味はしっくりきそうな気はしますが、しかし今度は、as a serviceを訳したものだということが一見してわからないという問題があります。
文の翻訳であれば原文が透けて見える必要はありませんが、似たような形のものがいくつもあるとわかっている新しい用語となると話は別で、ああ、アレを日本語にしたのか、とすぐわかるようにしておくことにも意義があります。日本語で「として」と書いてあれば、英語はasだろうと察しがつきます。
というわけで、サービスとしてのナントカという訳し方は、初めは嫌なヤツだと思ったが、だんだん悪くないヤツだという気がしてきたという話でした。このあともう一波乱あって、最終的には丸く収まると思います。