広義のローカリゼーションあれこれ(麻雀編)

広義のローカリゼーションあれこれ(麻雀編)

アガサ・クリスティーの小説に登場していたので、
「欧米にも麻雀ってあるんだ」 と、なんとなくは思っていたものの、
これもローカリゼーションじゃん、ということで各国の麻雀事情を少し調べてみました。

[中国]
起源については諸説あるようですが、現在行われているルールは、
中国政府の国家体育総局により公式ルールとして定められたものということです。
日本の一般的なルールとは大きく異なるようで、主なものだけでも以下の違いがあるようです。
・点数の数え方
・役の種類が多い
・半荘制ではなく一荘制
・フリテンがない
このへんはwikipedia情報です。

現在はこのルールが、一応、国際公式ルールになっているということです。
(ただし中国以外にはあまり普及していないらしい...)


[アメリカ]
20世紀初めぐらいに中国経由で伝播し、当初は中国式ルールで行われていたものが独自に進化したようです。
1937年に設立された National Mah Jongg League という団体が、全米標準ルールを制定しているということです。
ルールを詳しく調べてみようと思いましたが、最新のルールは上記連盟サイトのオンラインストアからルールブックを購入する必要があるようです。

なので今回はこちらのサイトの情報を一部抜粋させていただきました。
アメリカ式麻雀の特徴:
 ・役は非常に多く、アメリカ独自のもので、連盟によって毎年改訂されている。
 花牌やジョーカー牌を含み多くの牌を使用する。従って槓(KONG)の上に同一牌5枚(QUINT)組というものがある。
 ゲーム開始に先立ってチャールストンと呼ばれる不要牌の交換が行われる。

[ヨーロッパ]
2005年に設立されたヨーロッパ麻雀協会(European Mahjong Association)が、
雀士の登録、ランキング制定、欧州選手権の開催などを行っているようです。
ルールは、中国式の国際ルールMCR(Mahjong Competition Rules)と、日本のリーチ麻雀式のルールRCR(Riichi Competition Rules)の2つが採用されています。
協会サイトから大会情報やランキングが確認できます。


<用語>
やはり気になるのは、役や用語の英語名です。
ヨーロッパ麻雀協会のサイトで英語版のルールをダウンロードできるので、RCR版で確認してみました。

字牌:Honours
風牌:Winds
三元牌:Dragons
ポン:Pung 
チー:Chow 
カン:Kong

それを踏まえ、役名。以下にいくつか挙げてみます。
①Thirteen Orphans
②Nine Gates
③Blessing of Heaven
④Blessing of Earth
⑤Four Concealed Pungs
⑥Four Kongs
⑦All Green
⑧All Terminals
⑨All Honours
⑩Big Three Dragons
⑪Little Four Winds
⑫Big Four Winds

どれが何か分かるでしょうか。①~④あたりがなかなか感動的です。
(すべて役満です。答えは最後に)

英語版wikipediaにも情報がありますが、こちらはアメリカ式を中心に書かれているようで、役名や綴りが弱冠異なっているようです。

その他、各国の麻雀事情やルールなどを紹介しているサイト

麻雀ローカリゼーション、奥が深いです。


役名の答え:
①国士無双 ②九蓮宝燈 ③天和 ④地和 ⑤四暗刻 ⑥四槓子
⑦緑一色 ⑧清老頭 ⑨字一色 ⑩大三元 ⑪小四喜 ⑫大四喜

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