訳文を良くするヒント: 主語は何?

訳文を良くするヒント: 主語は何?

春です。暖かいを通り越して暑いですね。
最近、関内ホールの前に家系ラーメンの尾壱家さんができました。女性でも入りやすい明るくてきれいなお店で、味も女性にうけそうな感じです。横浜の家系ラーメンはそれぞれ個性があるので、ラーメンがお好きなかたは食べ比べしてみると楽しいですよ。

さて。翻訳時に、この文章の主語は何なのかと考えることはないですか。そんなときの基本をおさえておきましょう。

主語が何なのか困ったときは、事実関係を考えるとわかりやすくなります。
簡単な例文で見てみましょう。


【1】The process enables you to log on automatically.
    この処理を行うと、自動的にログオンできます。

【2】Click Start > Control Panel, and select Task icon.
    [スタート]>[コントロール パネル] の順にクリックし、[タスク] アイコンを選択します。

これら2つは、人が行うことについて述べています。
動作の主が人なので、主語は人にします。(訳文では主語を省略することが多いですね。)


【3】The server Z monitors network activity to discover attacks, and provide protection.
    サーバ Z は、ネットワークの動作を監視して攻撃を検出し、保護を提供します。

この場合、動作の主は server Z です。無生物主語の文ですね。
「サーバ Z を使用することでネットワークが監視され、攻撃が検出されます。また、保護が提供されます。」とはしません。


【4】The devices attached to your computer are displayed.
    お使いのコンピュータに接続されているデバイスが表示されます。

【5】This setting is used to decide which method to be used to connect to the central server.
    この設定は、中央のサーバに接続する方法を決定する際に使用されます。


【4】と【5】は、受動態のまま翻訳したほうがよい例です。主語がはっきりしない文では受動態で訳したほうがよいことがあります。


<まとめ>

動作の主が人の場合は人を主語にしましょう。
人以外の場合は無生物主語にしましょう。
はっきりしない場合は、受動態のままのほうがよい場合があります。


基本はおさえつつ、場合によって柔軟に対応しましょう。

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