意外な落とし穴

意外な落とし穴

4月もあっという間に後半に入りました。4月から「新」のつくものが始まったかたはもう慣れましたか? 新しく何か始めたかたは順調でしょうか。先日、福島県にある「信夫山(しのぶやま)」を「のぶおやま」と読んで失笑を買ったfukazawaです。地理と歴史は苦手です。

ところで、翻訳やレビューをしていると、さらっと通り過ぎがちなところで間違いの原因に遭遇することがあります。

たとえば「or」。中学の授業で出てくるおなじみの単語です。「or」は「または」が多いかと思いますが、「つまり」という言い換えの意味もあります。

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◆A or B (AとBは別のもの)
  例:the escalator or the elevator
    エスカレーターまたはエレベーター

◆A or A'(AとA'は同じものを指している)
  例:the escalator or the moving staircase
    エスカレーター、つまり動く階段
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これは割と使われる表現で、ベテラン翻訳者のかたでも間違うことがあります。こうして改めて書くと「まさかそんなところ」と思われるかもしれませんが、弘法も筆の誤り、猿も木から落ちる、意外なところに落とし穴、です。「or」の前後は別のものなのか、違う言葉で表した同じものなのか、見分けがつきにくいときは特に注意が必要です。

そのほかに、やさしい単語で最近気になったものに「book」(動詞)があります。
「(チケットや座席を)予約する」というときによく使われるので、それで覚えている人も多いかと思いますが、「記載する」や「登録する」という意味もあります。「システムにお客様情報をbookする」という場合、情報を「予約する」だと変な感じがしませんか。

訳文を読みかえして、少しでもひっかかるところがあったら、改めて辞書を引いてみたりして調べることが大事ですね。

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