品質管理について (1)

品質管理について (1)

前回は、株式会社シーブレインの魅力についてお伝えしました。
今回は、弊社の品質管理についてお話したいと思います。

「品質管理」と言うと製造業を想像する人も多いと思いますが、ローカライズ業界にも品質管理というものが存在します。安定した品質を継続してご提供するため、弊社ではどのような取り組みを行なっているかについて簡単に説明します。


1. 翻訳者の品質管理 (採用時)

安定した品質を確保するためには、翻訳者のレベルを一定以上の水準に保つ必要があります。弊社では、外部翻訳者を募集する際には必ずトライアルを実施します。トライアルでは、応募者が回答するのに要した時間と処理量 (一定の時間で、どのくらいの量をこなせるか)、クオリティ (正確さ、そのドキュメントに適切な訳文になっているかどうか、スタイルガイドに完全に準拠しているかどうかなど)、調査能力 (知らない技術や用語があった場合にどの程度調べて理解しているか) などを総合的に判断します。実際には、社内の複数の担当者がレビューし、審査をした上で、合否の判定を行います。合格後、業務を行ううちに品質の低下がみられた場合は、一度に依頼する量を調整したり、具体的な品質改善依頼を出すなど、適切な対策を取って品質の安定化に努めます。

プロジェクトマネージャは、トライアルに合格した外部翻訳者および社内翻訳者のリソースを管理し、プロジェクトが発生したときに適切に割り当てます。多忙時でもリソース不足や品質低下に陥らないよう、常に体制を整え、お客様からのご依頼に備えています。


2. プロジェクト実行中の品質管理

プロジェクトが発生すると、プロジェクトマネージャはお客様と納期等を的確に調整し、プロジェクトに応じた翻訳者を選定します。
1 つのプロジェクトを複数名で作業する場合、文体や、用語集にない用語のばらつきなど、いくつか懸念されることが出てきます。翻訳メモリ (TM) を使用したり旧版 (ある場合) を参照したりすることはもちろんですが、弊社ではプロジェクトの開始前に、可能な場合はインストラクションガイドを作成し、翻訳者に事前に目を通してもらうようにしています。このインストラクションガイドには、頻出表現の訳し方、スタイルガイドの重要項目の抜粋、およびスタイルガイドに記載されていない決まり事などが簡潔にまとめられています。これを使うことによって、あとで確認や修正を行わなければならない項目の数を減らすことができます。翻訳を開始してから気づいた点があった場合、最初に社内翻訳者同士およびプロジェクトマネージャとの間で情報を共有し、必要に応じて外部翻訳者にも伝達するか、翻訳終了後のレビュー時に確認するようにします。

翻訳後のレビューは、すべて社内で行うことで、用語や表現の揺れなどを適切に解決することができます。最後に、独自に構築したツールを使用して、スタイルガイド違反、使用してはいけない用語や表現の残りがないかなどを細かくチェックします。

プロジェクトマネージャは、プロジェクトの開始から終了まで、翻訳者やDTPオペレータと細かく確認を取りながら全体を進めていきます。求められる品質に沿えるよう、不明点の確認など、お客様ともコミュニケーションを密に取ります。

次回は、この続きをお話したいと思います。

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