LISA の標準規格

LISA の標準規格

ローカリゼーションにかかわっている人であれば、「翻訳メモリ」を使ったことがあるのではないでしょうか。
Trados などのアプリケーションが有名ですが、翻訳メモリのファイルを見ると「.tmx」という拡張子になっていることがあります。これは「Translation Memory eXchange」の意味です。TMX 形式に準拠していれば、異なるアプリケーションを使っていても翻訳メモリ データに互換性を持たせられます。たとえば Trados で作成した翻訳メモリを OmegaT で開くことが可能になります。

この TMX はベンダー中立の標準規格で、LISA(Localization Industry Standards Association)が定めています(http://www.lisa.org/)。
LISA はローカリゼーションにかかわる企業が参加する国際的な団体で、500 社以上がメンバーになっています。たとえば IBM のような IT 企業や LionBridge のようなローカリゼーション企業です。
主な活動内容としては、ローカリゼーション業界の標準規格策定、フォーラムやワークショップの開催などがあります。


TMX などの標準規格は、LISA の中にある OSCAR(Open Standards for Container/content Allowing Reuse)という機関で策定しています。
翻訳メモリを対象にした TMX も含め、OSCAR では次のようなローカリゼーション関連の標準規格を定めています。

・TBX(Term Base eXchange)
用語集データの互換を目的とした XML ベースの標準規格。ISO 30042 でもある。

・TBX-Basic
TBX の軽量版。

・TMX(Translation Memory eXchange)
翻訳メモリ データの互換を目的とした XML ベースの標準規格。

・SRX(Segmentation Rules eXchange)
テキストのセグメンテーション(分割)ルール。ルールを統一することで翻訳メモリの活用度が向上する。

・GMX(Global information management Metrics eXchange)
コストや見積もりを算出するためのワード数や文字数のカウント方法。

・xml:tm(XML-based Text Memory)
XML 文書にテキストや翻訳メモリを組み込むための規格。

・Term Link
XML 内の用語データを外部の XML 用語ベースにリンクさせるための規格。


これらの LISA 標準に関する情報はこちらをご覧ください。
http://www.lisa.org/Standards.30.0.html

次回の私のコラムでは、TMX について詳しく見ていきます。

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