textlintで文章をチェック
textlintを試してみました。
textlintとは
The pluggable linting tool for text and markdown. textlint is similar to ESLint, but it's for use with natural language.
と説明されている、自然言語向けのlintです。
簡単に言うと、テキストをチェックして、おかしなところがあったら教えてくれるやつです。
翻訳業務におけるマシンチェック
翻訳者の方や翻訳会社の方は、翻訳をしたあとにマシンチェックをかけましょう、とよく言われていると思います。ところで、マシンチェックはいくつかの切り口で分類できます。
チェックの起点
CATツールに内蔵されたQA機能、独立したQAソフトウェア、文章校正ソフトウェア、アプリケーションに内蔵された文章校正機能、などがあります。
チェックの対象
訳文のみをチェックするものと、原文と訳文を対比しながらチェックできるものがあります。後者は、原文と訳文を対比しながらのマシンチェックが可能であり、有効であり、必要でもあるという、翻訳特有の事情に対処するためのものです。後者を使って、原文を無視して訳文のみをチェックすることもできます。しかし、訳文のみをチェックするにはそれ専用のものを使った方が高機能であるため、両方を使うとよいのではないかと思います。
チェックの項目
項目を自分で設定することが前提になっているものと、あらかじめ設定された項目が中心のものがあります。翻訳の観点からは、綴り間違いやスタイル違反のような明らかな間違いと言えるものから、一般に望ましいと考えられる言葉遣い、顧客の好みまで、いろいろな項目が考えられます。
textlintはどこに当てはまるか
CATツールの外部で使用して、訳文のみをチェックして、設定項目は随時編集できる、という性質からみて、Just Right!やWordの校正機能に似た位置付けになりそうです。それらに比べると、無料で利用できる(MITライセンス)こと、使い始めるハードルが高いこと、設定を自分で細かく制御できることが特徴と言えそうです。
textlintの導入
まずNode.jsをインストール......しなくて済む方法がないだろうかと調べてみたところ、Node.jsがパッケージ内に含まれているというElectronアプリが提供されていたので、ありがたくそちらで試させていただくことにしました。本格的に使うということになった場合にどうするかは悩ましいところです。
初期設定
設定の書き方について調べていくと、試してみるという範疇を越えそうだったので、アプリの紹介の記事にならって、技術文書向けのtextlintルールプリセットを有効にしてみました。Electronアプリから簡単に設定できます。
テスト結果
仕事で翻訳した結果をここで紹介することはできないので、ブログの前回の記事をチェックしてみた例を載せます。このように、いろいろな項目が引っかかりました。ロクでもない文章だということがよくわかります。翻訳した結果で試してみたときはまた違った項目がたくさんヒットして、なるほど設定を調整しないといかんのだなと思いました。
所感
細かく設定することで真価を発揮するタイプかなと思いました。設定を複数人で使い回すのが難しくなさそうなので、同じまたは似たような仕事をする人が集まって設定を練っていくと便利そうです。