stretch

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座り仕事をしていると、よく伸びをしたくなります。英語ではstretch oneselfとかstretch one's armsとかが辞書に載っています。ただ、これはどうも身体を伸ばすということをそのまま言っているのであって、日本語の「伸び」のような、あくびが出るような感じは必ずしも伴わないのではないかなという気がします。どうなんでしょうか。

英語のstretchは、文字通りにも比喩的にも、伸びるとか伸ばすとかいうときには一通り使えるようで......辞書を見ていたら、そういえばIT業界では最近stretchすることが多いな、と思い出しました。
目に見えるものを引っ張るのではなく、比喩的な用法をさらに引っ張ったような使い方で、extendなどでよさそうなところをstretchということがあります。たとえば、Microsoft SQL Server 2016にはStretch Databaseという新機能があり、データベースをAzureにstretchしてくれるそうです。

このstretchをどう訳すか考えてみると、まず、業界用語の「拡張」に引っくるめて片付けることができそうです。当のMicrosoftさんのサイトでも、そう書いてあるページがありました。

しかし、「拡張」という言葉はすでに十分こき使われている(stretchにはそのような意味もありますね)ので、どうにかしてやれるものならどうにかしてやりたいところです。
そこで、そもそもなぜstretchという言葉が持ち出されてくるのかを考えてみました。

形容詞形であるstretchyの類義語を調べてみると、flexibleやelasticなど、やはり最近よく見かける連中が出てきます。

こいつらはstretchより先に流行していたようです。仮想化、クラウドコンピューティング、SDナントカなど、最近の技術を活用すると、リソースの活用がflexibleになったりelasticになったりする傾向があるので、そういった影響があって、お友達のstretchにも声がかかるようになった......のではないでしょうか。
そういったわけで、そのしなやかな感じを伝えようとすると、「柔軟に拡張」などがそれっぽいでしょうか。しかし結局拡張してますし、これはいかにもその筋の人が翻訳した感じになっているので、「スケール」のように「ストレッチ」を使ってもらうといいかもしれないと思いました。TechRepublicさんは「ストレッチ」としていたようです。

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