「諸国」は何か国以上だと違和感なく使えるか

「諸国」は何か国以上だと違和感なく使えるか

「ベネルクス諸国」という言葉を見て、「諸国」を3か国の場合に使えるかどうか一瞬引っ掛かったので何か国以上なら違和感がないか考えてみました。

まず、「諸」の辞書上の意味です。

しょ [諸]
(頭) もろもろ.多くの. ▼~事情

上記の通り具体的な数字が決まっているわけではないので、「たくさんって何個?」と同じような話で、ここからは完全に主観的な話になりますのでご了承ください。みなさまも考えてみてください。

まず、ベネルクスはベルキー・オランダ・ルクセンブルクの3か国のことですが、ダメとも言い切れないけど何となく引っ掛かるものがあります。ネットを調べてみると「ベネルクス諸国」は一般的に使われているようです。

2か国の場合はどうでしょうか。

例:「朝鮮半島諸国の住民」「イベリア半島諸国を旅する」

朝鮮半島は韓国と北朝鮮の2か国です。「朝鮮半島」と「諸国」のコロケーションは完全に違和感があります。

イベリア半島は、厳密にはアンドラ公国や英領ジブラルタルなどもありますが、イベリア半島通や旅行好き以外の人はスペインとポルトガルの2か国をイメージすることが多いと思うので挙げてみました。こちらも、スペインとポルトガルの2か国をイメージしていると違和感があります。諸国と言われると、アンドラ公国なども含んでますよと言いたい場合か、中世のカスティーリャ・アラゴン・ポルトガルの時代をイメージします。

ということで、2か国に対して「諸国」を使うのは難しそうです。

次に、ベネルクス以外で3か国の場合はどうでしょうか。3か国で構成されているグループが思い浮かばなかったため、多少強引ですが以下の例を挙げます。

例:「単独で三国同盟諸国に対抗する」

これはいけそうな気がします。大戦中の話の中などで出てきたらほとんど違和感はないように思います。が、この辺は個人差があるかもしれません。

次に4か国。

例:「BRICs諸国の動向」

最近は南アフリカを含めてBRICSとも言いますが、小文字の場合はブラジル、ロシア、インド、中国の4か国。4か国だと違和感なく「諸国」を使えそうです。

ここまでの感じだと、「諸国」を使っても違和感がない境界は3か国と言えるかもしれません。

諸国以外に「諸」が付く熟語には、諸説、諸事情、諸手当などがありますが、「諸手当込みで月給XX万も可」という文句に惹かれて入社したら諸手当が残業手当だけだったということもあるかもしれませんので、何かをオブラートに包む場合にも「諸」を使えるかもしれません。

なお、「諸島」と聞くと少なくとも5島ぐらい(場合によっては数十~数百)はありそうに感じますが、瀬戸内海にある愛媛県の関前諸島は、岡村島・小大下島・大下島の3島で構成されているそうです。

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