今さら聞けないFinTech (UnbundleとRebundle)

今さら聞けないFinTech (UnbundleとRebundle)

一時期に比べるとやや落ち着いてきた感もあるFinTechという言葉ですが、まだまだ「FinTechって何?」と思っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。私fukazawaもその一人です。最近、本やセミナーで少しばかり知識を得たので、簡単にまとめてみようと思います。

FinTechは、すごく簡単に言うと、ITを使って金融サービスをもっと便利にしようという話です。

FinTechはただのバズワード?

FinTechと言うとここ2、3年で急に出てきた流行り言葉のようですが、オンライン取引も金融×ITでFinTechと考えたら、アメリカのCharles Schwab社がオンライン証券取引で一世を風靡した1997年ごろから数えてすでに20年ほどの歴史になります。FinTechという言葉がよく言われるようになってきた2007~2008年ごろから数えたとしても、9年ぐらいたちます。意外に長いですね。最近特に勢いが増して、本もたくさん出版されたり電車の中吊りに書かれていたりするので、私のように金融のことをあまり知らない一般人もよく目にするようになったというわけです。

FinTechって何を提供するの?

このFinTechで何を提供するのでしょうか。素人にも身近な例としては、家計簿アプリ、スマートフォン決済、送金などのお金にまつわるサービスがあります。多くの人がPCやスマートフォンを通じて今すぐ送金だけやりたい、あの情報だけ欲しいと言う現代では、1994年に Bill Gates 氏が "Banking is necessary, but banks are not." と言ったように、わざわざ「特定の場所」に出向かなければならないというのはあまりありがたくありません。そのような傾向もあって、これまで銀行が一か所で、ワンストップで提供していた預金、決済、資産管理、投資、保険、情報提供などの各種サービスを、細分化して提供(Unbundle)しようというのがFinTech企業です。この勢いがすさまじいため、米国の金融機関の競合はいまやIT企業となり、JP Morgan の CEO、Jamie Dimon 氏も "Silicon Valley is coming." と注目しています。なんとなく危機感が伝わってくる言葉ですね。

FinTechのこれから

驚異的に成長しているFinTechですが、ほかの業界や分野でUnbundleのあとにRebundleが見られるように、FinTechによってUnbundleされたさまざまなサービスも、またいつかRebundleされる可能性があります。そのときにはまた何か新しいビジネスが生まれて、世間をにぎわしていることでしょう。Rebundleは現時点では辞典に載っていませんが、FinTechで提供されているサービスがRebundleされるころには、Virtualizeのように掲載されているかもしれません。

まとめ

まとめます。

・FinTechは、ITを使って金融サービスをもっと便利にしようという動き。

・FinTechは意外と歴史がある。

・FinTech企業は主に銀行が提供している金融サービスをUnbundleして提供している。

・大手金融機関がFinTech企業を競合とみなし、注視している。

・FinTechのサービスは将来Rebundleの道をたどるかもしれない。

名言

"Banking is necessary, but banks are not."  ― Bill Gates 氏(1994年)

"Silicon Valley is coming."  ― JP Morgan CEO、Jamie Dimon 氏(2014年)

どこかで引用できるかもしれません。それにしても、ゲイツ氏ってすごいですね。

FinTechはIT先進国(のイメージがある)FinlandのTechnologyだと思っていた2年前、口に出さなくて本当に良かったと胸をなでおろすことしきりです。

 

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