bacronymとrecursive acronym

bacronymとrecursive acronym

横浜は暖かくなったり寒くなったり雨が降ったり風が吹いたり、なんだかせわしない気候が続いています。冬の終わりなのか春の始まりなのか春本番なのか初夏なのか、よくわからない間にも時は過ぎていきます。とりあえずセミが鳴いたら夏なのでしょう。

みなさんは「バクロニム」という言葉をご存知ですか?浅学で恥ずかしいのですが、私は最近初めて知りました。「アクロニム(acronym)」じゃなくて「バ」‥?と思ったら、backとacronymを組み合わせた造語のようです。

特定の意味を持つ単語の頭文字をつなげたものをacronymと呼びますが、backronymでは意味のない文字の組み合わせから意味が作られるそうです。

有名な例として「SOS」があります。これは「Save Our Ship」の略ではなく、ただの救難信号です。ほかにも調べてみると、季節性情動障害(SAD: Seasonal Affective Disorder)、アメリカの郵便番号(ZIP Code: Zone Improvement Plan Code)など、意外と身近な用語が見つかります。患者さんがとても悲しそうだったのでしょう(この2例については、backronymなのかaconymなのか、諸説あるようです)。

NASAでは、Stephen Colbertというコメディアンの名前にちなんで「COLBERT」という運動器具を船内に設置し、正式名称を「Combined Operational Load Bearing External Resistance Treadmill」にしたそうです(参考)。

Wikiという言葉の由来も「What I Know Is」であるという説がありますが、実際はハワイ語で「速い」を意味する「wiki」から来ているので、この説もただのbackronymになります。

また、ここでは紹介しませんが、元の略語を皮肉ったbackronymもたくさんあります。


さらに調べていくと、recursive acronym(再帰的アクロニム)というものもありました。これは、正式名称にacronymが含まれる略語だそうです。IT用語に多いようですが、クレジットカードで有名なVISAもrecursive acronymにあたります(VISA: Visa International Service Association)。略称と正式名称の両方に「VISA」が含まれているので、再帰的なacronymということですね。そうすると正式名称の「Visa」は何を指すのか‥混乱してきました。

Wikipediaの再帰的頭字語のページを見ていると、東京都中野区も、「中」野町と「野」方町の合併で作られた経緯からrecursive acronymであるという説があるようです。

今度はrecursive backronymという用語が目に入りましたが、限界を感じたのでここまでにしておこうと思います。

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