Gig Economy

Gig Economy

2009年ごろにはある程度知られていたようですが、最近何度か目にした、gig economyという表現についてご紹介します。

GiGSという雑誌もありますし、何となく意味をご存知ではないかと思いますが、gigというのは、ミュージシャンが集まって演奏をすることで、元々はジャズ用語だったそうです。演奏といっても、不定期という含みがあるのがgigの特徴で、その関係からか、音楽に限らず不定期な仕事のことをgigということがあるそうです。

Gig Economyは、gigによって牽引される経済、ということで、定期的な仕事であるjobが減って、不定期な仕事であるgigが増えてきている、ということを意味しています。といっても、アメリカで、インターネットを経由してPCを使ってやるような仕事が増えている、という話なので、日本で労働問題として取り上げられるような話とは、やや毛色が異なります。

英英辞典を引くと、jobの定義の中にregularと書かれていたので、ニュースを見ていてアメリカの人がjobが足りないjobが足りないといっているのは、仕事の中でもある程度狭い範囲に限定される、いわゆる正規雇用の口のことを言っているのかもしれないんだなと思いました。英和辞典では、「職」「勤め口」などと書かれていて、20年くらい前まではこのような訳語から正規雇用が確実に連想されたのだろうと思いますが、今はもう、あまりはっきりしないですね。こういうことがあるから英英辞典を引きましょうという人がいるのだろうと思いますが、効率を考えるとどうなんだろうな、といつも迷います。

脱線しましたが......Gig Economyという言葉を使うときは、前向きに使っている場合と後ろ向きに使っている場合があるようです。前向きな場合は、オフィスや会社に縛られず、プロジェクトごとにプロフェッショナルが集まって鮮やかに仕事を成し遂げる、という話になり、後ろ向きな場合は、収入が不安定でキャリアパスも描けない、という話になるようです。jobにしろgigにしろ、いいことばかりではない、ということですね。


余談ですが、ギガバイトのことをgig(s)という言い方をすることがあります。GBと書いてあるのを縮めて読むような感じでgigsと読むこともあるようです。会社の PC の 16 gigs of RAM は、翻訳をするにはだいぶオーバーキルな感じがしていますが、15000円くらいしかしないんですね。キャベツとかもう少し安くならないものでしょうか。

この記事を読んだ人にオススメ