Phonestheme

Phonestheme

語彙を増やそうとして勉強しているときに、(接頭辞+)語幹(+接尾辞)というように考えて覚えていくと語彙を増やしやすい、という話を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。
inter-national-izationのように3つに切ってみると、「~の間の」「国家の」「~にする」から、どうにかこうにかして「国際化する」にたどりつける、という理屈です。わざわざわかりにくい例を選んでしまったような気がしないでもないですが、気がつかなかったことにしてこのまま進めます。
このように単語を構成する要素のことをmorphemeと呼ぶことがあるのですが、今回は、それとは少し違う概念をご紹介します。

"glitter", "glow", "glare"に共通することは......ピカピカしているということですね。しかし、glは「ピカピカしている」というような接頭語ではありませんし、「itter」「ow」「are」もmorphemeではありません。このように、成り立ちは異なるが音に似たところのある複数の単語が、なぜか似たような意味を持つことがあるそうで、このglにあたる部分をphonesthemeと呼ぶそうです。言葉が作られたり使われたりする中で既存の単語がこっそり影響を与えるのか、音自体からイメージが生まれているのか、はっきりとはわかっていないようです。
残念ながらmorphemeほど体系立てて使えるものではないので、語彙を増やすのにはあまり役立たないのではないかと思います。語彙を強化するためにphonesthemeに頼るのはやめておくことをおすすめします。

phonesthemeについて知ったきっかけは、ハリー・ポッターの悪役はVoldemort(ヴォルデモート)、アーサー王を裏切ったのはMordred(モルドレッド)、シャーロック・ホームズの宿敵はMoriarty(モリアーティ)。では、この3人の名前に共通するのは? という記事を先日読んだことでした。

答えはもちろん、「mor」ですね。morの音には、悪い奴を連想させるはたらきがあるのではないか、と紹介されています。
日本ではどうだろう、モー......モーリさんかな、と思いましたが、とりあえず毛利小五郎さんはシロだそうです。
私も仕事中に眠っているように見えることがあるかもしれませんが、それは難しいことを考えているだけなので、シロなのだと、この場を借りて断っておきます。

さて、glを嫌な感じに解釈すると、「ギラギラしている」ともとれますが、ギラギラをローマ字で書くと、giragira、あるいはgilagilaとも書くことができます。glが出てきますね。違う言語を使っていても、同じ音からは同じような印象を受ける、ということがあるようなないような......と言われているそうですが、この場合もそれにあたるようなあたらないような話なのかもしれません。

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