電子書籍端末に期待されているらしいこと

電子書籍端末に期待されているらしいこと

電子書籍の端末でありプラットフォームでもある、Amazon社のKindleが日本市場に本格的に参入することになり、連日関連したニュースが伝えられています。

Kindleなどの電子書籍端末の新製品が出るたびに、海外のレビューの記事をいくつか読んでいるのですが、それらで共通して取り上げられる話題の中には、日本人にはあまりなじみのないものがいくつかあるようなので、今回はそれをご紹介します。


1. フォント
日本語の場合、フォントを作るのが大変すぎるのが原因だと思いますが、フォント自体の良し悪しはまだしも、フォントの選定が話題になることはあまりありません。しかし、欧文フォントを使う地域では、フォントは選ぶものという意識が強いようです。Kindleのフォントの選択はあまり評判がよくなくて、数も少ないと思われているようです。

2. ジャスティフィケーション、ハイフネーション
日本語でいう禁則処理に近いものだと思いますが、行端の処理に関して、ジャスティフィケーション(行の両端に文字が入るようにするか)やハイフネーション(ジャスティフィケーションを行う場合に、行末にくる長い単語をどう処理するか)の仕方がいろいろあって、電子書籍端末ではどう対応するべきなのか、議論があるようです。画面サイズやフォントサイズが固定ではないので、どうしても機械的に対応しなければいけなくなり、紙の書籍とは事情が異なるわけです。文字組みにこだわる人(電子書籍端末のレビューを書くような人)にとっては、無視できないポイントのようです。

3. 読み上げ機能
テキストを読み上げてくれる機能は、Kindleの当初のセールスポイントの1つだったのですが、アメリカではオーディオブックの市場が大きいということもあって、機械音声とはいえ勝手に読み上げられては困る、と権利関係で問題になっていました。今ではそのあたりの問題は解決して、本によって読み上げてくれたり読み上げてくれなかったりする(購入前にどちらかわかります)という微妙な形に落ち着いたのですが、時間が経っても機能自体にあまり大きな改善がみられないようで、一部の人は不満を感じているようです。


日本語の電子書籍については、縦書きへの対応、書籍の価格、書籍の品ぞろえといったあたりが話題になるのではないかと思いますが、Kindleによってどのような変化が起きるのか楽しみです。

1つくらい役に立つことを書いておきますと、映像作品のDVD化やブルーレイ化と同じように、電子書籍化にあたって、ただ変換しただけのものと、しっかりと手をかけたものとの違いがはっきりとわかりますので、文字さえ読めればいいという書籍はともかく、図表などを含むものについては、可能であれば事前に品質を確認されることをおすすめします。

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