認証と映画

認証と映画

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』でアドレナリンの出しおさめをしてきました。fukazawa です。

さて、パソコンや携帯電話が個人レベルでも普及し、セキュリティが重要視されるようになって随分たちます。

世の中は朝から晩まで「認証 (authentication) 」だらけです。

朝起きてタブレット端末を操作するときにパターン認証。
駅のホームで携帯メールをチェックするのに暗証番号。
ATM でお金を下ろすのにも暗証番号&IC チップ。
オフィスでパソコンを立ち上げたらユーザー名とパスワード。
何かのログインパスワードを忘れて本人確認...などなど。

その一つ、生体認証(biometric authentication / biometrics) ってご存知ですか。

パスワードや ID を入力するのではなく、指紋 (fingerprint)、虹彩 (iris)、音声 (voice)、静脈 (vein) などを利用するシステムです。

最近では一部の ATM、PC、携帯などで見かけます。ビジネスものやスパイものの映画にもよく登場します。

2009 年公開の『天使と悪魔 (Angels & Demons)』(原作ダン・ブラウン) では、研究所内で虹彩認証 (iris verification) を必要とする部屋に犯人が入るとき、科学者を...という場面がありました。

パスワードや ID は情報を盗めば使えますが、生体認証となるとどうにかこうにかしなくてはならないので怖さ倍増です。

で、紹介したいのが『ガタカ (GATTACA)』という映画。

近未来の世界。遺伝子操作 (gene manipulation) により、能力や容姿などあらゆる面で優れた人間を作ることが当たり前になりました。こうして生まれた人間は「適正者」、つまりエリートで、彼らには様々な選択肢が与えられ、活躍のチャンスがありました。一方で、遺伝子操作を受けず自然に生まれる人間もいました。彼らは「不適正者」と呼ばれ、生涯にわたって激しい差別 (discrimination) が待っていました。

この 2 者を区別するために用いられていたのが生体認証です。

「不適正者」である主人公の夢は宇宙飛行士 (astronaut) でした。しかしそれは「適正者」しかなることができません。彼は、事故で体が不自由になった元水泳選手の「適正者」から血液や指紋、尿などを買い取り、「不適正者」であることに気付かれないよう細心の注意を払いながら、宇宙局 (space-agency)「ガタカ」の局員になることに成功します。しかし、やっと宇宙飛行士として選出されたときに事件が起こり...

という SF 兼サスペンス兼ヒューマンドラマです。なんとこれ、1997 年の作品です。ナイーブな雰囲気のイーサン・ホークと、美しいユマ・サーマンも見所です。

タイトルの『GATTACA』は、グアニン (guanine) の G、アデニンの (adenine) A、チミンの (thymine) T、シトシン (cytosine) の C を組み合わせたものです。塩基ってすばらしい。

お時間がありましたらご覧ください。
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(* 文中の語彙は、他にも表現があるものもあります。)

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