簡単な単語ほどコワいのよ 2

簡単な単語ほどコワいのよ 2

今年はペルセウス流星群を見る絶好のチャンスです。月明かりなどの条件がとても良く、見やすいそうです。
ぜひ、ビール片手に夏の夜空を眺めてみてください。さて、だいぶ前に、翻訳するときは簡単な単語ほどコワいのよ、ということを書きましたが、今回もそのことについて書いてみます。

最近気になるのは、"application"です。
当社はIT関係の翻訳の仕事が多いので、この単語を見ると無意識に「アプリケーション」としてしまいます。
でも、辞書を見ると、「アプリケーション」だけでなく、「申し込み」、「応用」、「適用」、「努力」などいろいろあります。
たとえば、次のような文があります。

This workflow can be customized to fit your application.
(このワークフローは、利用方法にあわせてカスタマイズできます。)

また、先日社内のメンバーと話をしていたのですが、"window"も気になるところです。
"window"は、「Windows」でも「窓」でも「ウィンドウ」でもない場合があります。
辞書を見ると、「窓」、「窓口」、「時間帯」、「手段」などの意味があります。
「窓」よりも、フレームのイメージで覚えておいたほうが訳しやすい言葉です。
ITのドキュメントでは、「時間帯」の意味で使用されることが時々あります。
たとえば、次のような文です。

There is but a narrow window of time left to get out.
(脱出するための時間はごくわずかしか残されていない。)

このような文に「ウィンドウ」という言葉をあててしまうと意味が分かりません。

でも最近は、一般的に「ウィンドウ」=「時間帯」という認識があるようで、「バックアップ ウィンドウ」(バックアップする時間帯)のように広く使用されるようになってきました。

簡単な単語でも辞書をこまめに引くと同時に、時代にあった言葉を選んで訳す必要があります。
ITの分野は、言葉の移り変わりが本当に早いですね。

この記事を読んだ人にオススメ