「は」と「が」の悩み(2)どこまでかかるの?

「は」と「が」の悩み(2)どこまでかかるの?

関東地方は昨日すごい雪でしたね。
雪が降ると無駄にテンションが上がる南国出身のfukazawaです。

さて、前回の「は」と「が」に関する記事のまとめです。

    [既知・既出の情報] は [未知の情報/新情報]。
    [未知の情報/新情報] が [既知・既出の情報]。


英語と日本語を対にしてみるとわかりやすいかもしれません。

  <英語>   There is a cat under the table.
                   The cat is white.

  <日本語> テーブルの下に猫がいます。(←この「猫」は新しい情報なので、「猫」。)
                    その猫は白いです。(←こちらの「猫」は既出なので「猫」。)

日本語ネイティブのかたであれば、この「猫は」と「猫が」は、自然に使い分けできていると思います。昔話の有名な一説「昔々、おじいさんとおばあさんいました。おじいさん山へ芝刈りに、おばあさん川へ洗濯に行きました。・・・」でもそうですね。あらためて考えると複雑に思えるのが、文法の何とも不思議なところです。

今日はまた違うところを見てみたいと思います。

翻訳していて、「~は」にしたけれども「~が」でもよさそうな気がして、「は」⇔「が」をスイッチしたら、なんだかしっくりこない文章になったということはありませんか。

次の2つの文を見てください。

    【1】管理者は一時停止したソフトウェアを再開する。
    【2】管理者が一時停止したソフトウェアを再開する。

【1】は、<管理者は『一時停止したソフトウェアを』再開する。>、つまりソフトウェアを再開するのは管理者、と読めます。

【2】は、<管理者が一時停止したソフトウェア> + <(そのソフトウェア)を再開する。>、つまりソフトウェアを一時停止したのは管理者だが、再開するのは管理者かもしれないし、他の人かもしれない、と読むことができます。

これから分かることは、「は」は文章の最後までかかるのに対して、「が」は主に直後の部分にかかる(全体にかかっていると読むこともできるが、そうとも言い切れない)ということです。「は」を「が」に変更すると違和感が生じるのは、この点が原因である場合もあるようです。

前後の文脈にもよりますが、「が」を使う場合は、必要に応じて読点「、」を使うなどして、2通りの解釈にならないように気を付けないといけません。

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