ソフトウェアローカリゼーションのユーザーインタフェース翻訳について (2)

ソフトウェアローカリゼーションのユーザーインタフェース翻訳について (2)

前回の私のコラムでは、ソフトウェアローカリゼーションの概要について説明しました。今回は、ユーザーインタフェース翻訳について説明します。

■ ユーザーインタフェース翻訳の対象
ソフトウェアのメニュー名、コマンド名、メッセージなどです。



■ ユーザーインタフェース翻訳のファイル形式
ソフトウェアが開発された環境によってさまざまです (.rc、 .properties、.xml、.po、.resx など)。ファイル形式ごとに異なるそれぞれの構成を理解した上で、作業する必要があります。
たとえば、.properties ファイルは、「キー=値」(例: selectfile.title="Select File") で構成されます。「値」の「Select File」が翻訳テキストです。


■ ユーザーインタフェースの翻訳
翻訳テキストがソフトウェアのどこで使用されるのかを確認または推測して翻訳します。

例) selectfile.title="Select File"
キー「selectfile.title」から画面タイトルであると思われるので、次のように翻訳します。
selectfile.title="ファイルの選択"

翻訳テキストが同じ「Select File」でも、キーが「error.selectfile.message」の場合はどうでしょう。

error.selectfile.message="Select File"
キー「error.selectfile.message」からメッセージであると思われるので、次のように翻訳します。
error.selectfile.message="ファイルを選択してください"

また、文字数に制限があることがあるため、翻訳テキストが原文より大幅に長くならないようにします。


■ ユーザーインタフェース翻訳が難しい理由
1) 翻訳テキストの出現箇所がわからない

例) aaa.image="copy window image"
英文からは 2 つの翻訳が考えられます。キー「aaa.image」からは判断できません。
①「画面イメージのコピー」
②「コピー画面の画像」

この場合、翻訳テキストの出現箇所を確認する必要があります。実際のソフトウェアを確認できることが望ましいのですが、確認できない場合は、ソフトウェアの特徴や機能、翻訳テキストのキー、ほかの翻訳テキストなどから出現箇所を推測して翻訳します。


2) 変数に入る値が (文字列なのか数字なのか) わからない

例) message.exported="Exported \{0\} file."
変数「\{0\}」に表示されるのが名詞か数かよって、次のように翻訳が変わります。
①\{0\} ファイルをエクスポートしました。
②\{0\} 個のファイルをエクスポートしました。

この場合も、変数「\{0\}」に何が表示されるのかを確認する必要があります。


3) 新しい用語を翻訳する
ユーザーインタフェースの翻訳では、新しい技術用語を翻訳することがよくあります。新しい用語を「現在の状況に合う適切」な日本語にする技術的知識と言語センスが必要です。


■ まとめ
ユーザーインタフェースの翻訳は、製品の「操作性」や「イメージ」につながる大変重要なプロセスです。経験のある翻訳者や作業者が作業を行うことで、効率的に適切な翻訳を実現でき、クライアントは翻訳にかかるコストを最低限に抑えることができます。

シーブレインでは、ご希望に応じてさまざまな翻訳ソリューションをご提供しています。ご質問・ご相談がございましたら、お問い合わせください

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