広義のローカリゼーションあれこれ(キャプテン翼編)

広義のローカリゼーションあれこれ(キャプテン翼編)

<ローカリゼーション>
IT 翻訳の現場で「ローカリゼーション」と言えば、通常ソフトウェアのローカリゼーションを指して使われますが、広義には、あらゆる製品のローカリゼーションを指すことがあります。

その場合、言語的側面だけでなく、文化・慣習・制度など様々な要素を考慮して、製品・サービスをローカライズ=現地仕様にする必要があります。
 ・カップ麺の味付けを国ごとに変える
 ・電化製品を関東仕様/関西仕様で作る
 ・自動車のハンドル位置を変える

これらはすべて広い意味でのローカリゼーションと呼べると思います。

このような広義のローカリゼーションについては、
「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?』という本に色々な例が紹介されています。(日経ビジネスオンラインに掲載された内容に修正・加筆されたもの)


世の様々なローカリゼーションを知ることで、ソフトウェア・ローカリゼーションにも活かせる視点や考え方を見つけよう!という大義名分の下、
ソフトウェアに限らず色々な製品・サービス・モノ・事象のローカリゼーションについて調べていこうと思います。(本当は完全に興味本位...)

ということで、今回は「キャプテン翼」が各国でどのようにローカライズされているかということを調べてみました。

まず...

ずばり、こちらのサイトをご覧下さい。
主にヨーロッパのキャプテン翼事情が非常に詳しくまとめられておりました。素晴らしいです。

このサイトおよびwikipediaの英語スペイン語イタリア語のページなどを参考にまとめると、
翼くんの名前だけでも、
 Oliver Atom (スペイン、ラテンアメリカ)
 Oliver Hutton (イタリア)
 Olivier Atton (フランス)
 Oliver Tsubasa (アメリカ)
と、バリエーションがあります。
スペイン語、イタリア語、フランス語はいずれもラテン語系の言葉ですので、
Atom、Hutton、Attonはすべて同じ名前を表しているのではないかと想定されます。
(違ってたらすみません。詳しい方ご指摘下さい。)
アメリカではTsubasaが苗字になっちゃてます。
タイトル(Captain Tsubasa)を活かすためのローカリゼーションの苦労の跡か、それとも版権の関係か。

(ちなみに、wikipediaに「キャプテン翼の登場人物」という項目があり、日本語の他に英語、スペイン語、イタリア語、タイ語、中国語版ページがあります。)

ここまで調べてだけでも、マンガ・アニメのローカリゼーション界の奥深さが垣間見えます。
 ・キャラクターの名前は誰がどうやって決めるのか
 ・国によって傾向はあるのか
 ・版権の影響はあるのか
 ・ストーリーの変更点はあるのか
 ・その他、どのようなアレンジがあるのか
など疑問は募るばかりです。
業界の方、事情通の方、色々を教えていただけたら嬉しいです。

かなり壮大な感じになってしまいそうなので、
今回はここまでとさせていただきたいと思います。

尚、ファミコン版かなりローカライズされているようです。

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