フリーとプロプライエタリ

フリーとプロプライエタリ

こんなこともあろうかと、昨年のうちにGoogle ReaderからNewsblurに移行していました。しかし、先見の明があったと思ったのも束の間、Newsblurに大量の新規ユーザーが押し寄せてきて、しばらく使い勝手が悪くなってしまったのでした。

誰かが「フリーソフト(ウェア)」という言葉を使うのを見聞きした場合、「無料」の意味で使っているのか、「自由」の意味で使っているのか、「自由」の意味で使っているとしたら、フリーソフトウェア運動にどの程度詳しい人なのか......と、頭の片隅でいろいろ考えることがあって、ややこしいのですが、このややこしさは日本語でも英語でもあまり変わらないようです。

フリーソフトウェア運動といえばこの人、と真っ先に名前があがる一人であろうリチャード・ストールマンが、次のように書いているのを見つけました。
Because of the ambiguity of "free", people have long looked for alternatives, but no one has found a better term. The English language has more words and nuances than any other, but it lacks a simple, unambiguous, word that means "free", as in freedom?"unfettered" being the word that comes closest in meaning. Such alternatives as "liberated", "freedom", and "open" have either the wrong meaning or some other disadvantage.
http://www.gnu.org/gnu/thegnuproject.en.html
日本語訳は、次のようになっていました。
「フリー」という語の曖昧さのせいで、人々はそれに代わる別のものを探してきました。しかし、誰もぴったりくるような別の代わりを見つけられなかったのです。英語には他のどの言語よりもたくさんの言葉やニュアンスがありますが、しかし「フリー」を自由の意で表すシンプルで明白な単語がありません?"unfettered"(足枷のない、自由な)という語が意味の上で最も近いところにありますが。"liberated"、"freedom"、"open"のような候補にも間違った意味やその他の不都合がありました。
http://www.gnu.org/gnu/thegnuproject.ja.html
「unfettered」を使えば誤解の余地は少ないが、「free」というシンプルな表現の方が関心を持ってもらいやすいのではないか、というようなジレンマがあったようです。

一方で、「free」でない、という反対の意味の言葉としては、おそらくあまりシンプルではないが誤解の余地は少ない、「proprietary」を使うことにしたようで、「フリー」と「プロプライエタリ」には、意味だけでなく由来にも、対照的なところがあるようです。

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