用途が広い言葉への対処法

用途が広い言葉への対処法

同じ言葉を何度も辞書で調べていて、意味は覚えていないのに、前にも辞書を引いたのはしっかり覚えている、ということがよくあります。

今読んでいる本で、"get to" が「いやな気持ちにさせる、精神的にこたえる」というような意味で、たびたび使われています。

それがなかなか頭に入らなかったのと、"get" のような基本的な動詞を含む句動詞(動詞+副詞、または動詞(+副詞)+前置詞で 1 つの動詞のように機能するもの)は意味が多岐にわたることが多いので念のためということもあって、繰り返し辞書を引く羽目になりました。

そして "get to" の項目を上から下まで何度か眺めているうちに、精神的にこたえてきて、身に沁みて覚えられた気がしました。

辞書にもよりますが、"get to" の後ろに人を目的語にとって、その人に何かしらの影響を与える、という使い方が、ときにはより細かく何種類かに分類されて載っているようです。

訳語レベルで一通り覚えられればそれに越したことはないのですが、なかなかそうもいきません。このような場合、「影響を与える」という少し抽象的な形で記憶しておいて、どのような影響かは出てきたときに考えるようにしています。こうすると、辞書にたくさん訳語が載っていたとしても、その場で覚えることは 1 つで済みます。

翻訳をするときは、それとは逆に、思いついた訳語から一歩さかのぼって、似た意味の別の言葉を検討することがよくあります。

年を重ねるごとに物覚えが悪くなる一方で、物事を関連付けて考える能力は衰えにくいといわれています。横着か工夫かわかりませんが、ときにはこのような考え方をしてみてはいかがでしょうか。

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