多言語化のススメ---その1:最近の多言語翻訳

多言語化のススメ---その1:最近の多言語翻訳

最近、アジアンビートという福岡県庁のホームページがすごいらしいです。
日本のファッション、音楽、アニメ、文化など、福岡の地域情報を織り交ぜながら紹介しているのですが、何とこのサイト、日本語、英語、韓国語、中国語(繁体字)、中国語(簡体字)、タイ語の 6 言語に対応しています。特に 2009 年にタイ語を開設してからはアクセス数が急激に伸びたということです。やはり、タイ語にまで対応した日本のサイトというのはまだまだ少ないからでしょう。
さらにこのサイトでネット販売を開始したところ、すぐに完売してしまったとか。

次に、日本を訪れる外国人の人数を国別に見てみましょう。2009 年には 679 万人の外国人が日本を訪問しています。


(参考:日本政府観光局)

このように、アジアからの訪問数が全体の 3 分の 2 近くを占めています。
昨年は経済不況、円高、インフルエンザなどが重なったため全体数自体は減少していますが、経済が上向いてくれば、訪日外国人の数は自然と増えてくるでしょう。民主党も、2010 年の外国人観光客数 1,000 万人、2019 年には 2,000 万人という目標を掲げています(2,000 万人というのは壮大な目標だとは思いますが・・・)。
いずれにせよ、今後多言語の翻訳というものが必須となってくるのは間違いありません。

さて、多言語翻訳といってもいろいろありますが、今回は多言語のホームページについて少し説明します。

現在日本語のホームページを持っていて、多言語のホームページを作成する場合、いくつかのやり方があります。
① 既存の日本語のホームページはそのままにして、同じ作りの多言語サイトを作成する
② 必要な情報だけを 1 ページにまとめて、1 ページだけの多言語版を作成する
③ 多言語対応の CMS などを使用して、日本語のサイトを含めてすべて一新する

多くのページを作成したりサイトすべてを一新したりすれば、内容も見た目も充実しますが、コストも当然かかります。もしまだ日本語のホームページしかなく、多言語の必要性が判断できないようであれば、まずは②のように 1 ページだけの多言語版を作成し、海外の潜在顧客を探ってみてはいかがでしょうか。たった 1 ページであってもサイトの訪問者数を大幅に増加させることができると思います。
そして、海外からのアクセスが増え、本格的に海外対応する準備もできたら、①や③のようにサイトすべてを多言語化することを考えてみてください。

ちなみに CMS とはコンテンツ・マネジメント・システムの略で、HTML や CSS などのホームページを作成するときに必要となる知識がなくても、ホームページの作成や管理ができるシステムです。CMS を使えば Word や Excel ができるぐらいの知識でホームページを管理できます。

・・・そういえば、日本に興味がある外国人については説明しましたが、逆に海外に進出している日本企業については説明していませんでした。


(参考:海外活動基本調査(経済産業 08 版))

NIEs3 とは韓国、台湾、シンガポールのこと、ASEAN4 はタイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンのことです。中国には香港も含まれています。
このグラフから見ると、アジアに進出している日本企業は増加傾向にあることが分かります。今後はアメリカと中国の 2 極化が進むとも言われていますので、英語だけではなく、アジア言語も含めた多言語化を考えてみてはいかがでしょうか。

この記事を読んだ人にオススメ